あなたの街の困った空き家を撤去させるには?

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現在、日本には数多くの空き家が存在しています。

その中には、安全面や衛生面、景観の面などで悪影響を与えるなど、周辺住民に迷惑をかけているものもあり、社会問題となっています。

そのような空き家は本来、一日も早く撤去されるべきなのです。

今回の記事では、具体的な例から、撤去されるべき空き家のイメージを挙げていきます。

そして、空き家が行政によって撤去されるまでの手順と流れを解説します。また、空き家対策において、日本で施行されている法律等の予備知識もご紹介します。

ご近所に困った空き家がある方はぜひ参考にしてみてください。

撤去されるべき空き家の例

空き家と一言にいっても様々な物件があります。人が居住していなくても、きちんと管理されている空き家であれば問題はありません。

問題があるのは、人が居住していないのはもちろんのこと、管理すらされていない「放置された空き家」です。

この「放置された空き家」の中で、以下の問題を有するものは、特に撤去されるべきでしょう。

【1】倒壊、一部崩壊により周辺に危険を及ぼす可能性のある空き家

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放置された空き家は築年数が長い物件が多く、その分だけ老朽化しています。
しかし、耐震化工事や補修などの管理が行き届いていないため、地震や大雪などで倒壊したり、強風などによって外壁が剥離したりする危険性が高いのです。

このような空き家の周辺で、人がよく通る場合には最悪人身事故に繋がりますし、建物の密集地帯にある場合は、他の建物に損害を与える可能性もあります。

倒壊の危険で撤去された実際のケース


神奈川県横須賀市では、所有者不明の空き家が住宅街にあり、2012年より周辺住民から苦情の相談を受けていました。空き家はトタン屋根が錆びつき、老朽化によって建物の構造が崩れるなど、倒壊寸前の状態で、解体などの対処が求められていました。

市は空き家の所有者を探しましたが、なお不明のままでした。

2015年5月に「空き家対策特別措置法(空家特措法、後述)」が施行されると、市はこの法律を根拠として、税情報から所有者を探しましたが、なお見つからず、ついに行政代執行により同年10月22日に空き家は解体、撤去されました。

参考サイト(横須賀市役所HP)

 

【2】 衛生上に問題のある空き家

放置された空き家では、汚水が流れ出す、ゴミが不法投棄されるなど、衛生上の問題が生じることがあります。その場合、害獣、害虫の増加や、悪臭の原因にもなってしまいます。

このような空き家も早急に撤去されるべきでしょう。

衛生上の問題が原因で(ゴミ)撤去された実際のケース


東京都品川区にある木造二階建ての空き家は、推定20トンのゴミが積もる「ゴミ屋敷」と化していました。所有者の50代の男性は、当時近くの公園で居住していたとのことです。

2006年からゴミがあふれ始め、その異臭に加えて、小学生の通学路に面する建物北側の外壁が崩落していたため、周辺住民が2014年に署名で区に対処を求めていました。

2016年に区が空家特措法と区条例にもとづき、行政代執行によって空き家のゴミを完全に撤去しました。

これにより、建物を安全に修復することが可能になったとのことです。

参考サイト(毎日新聞2016年5月17日 東京夕刊)

【3】 景観を著しく害する空き家

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放置された空き家で、建物の壁に落書きがされている、窓ガラスが割れたままになっている、ツタが建物全体を覆うまでに繁茂しているような場合、周辺の景観を損ねるため、早急な対処が必要です。

場合によっては、そのような空き家は、不良少年やホームレスの格好のたまり場となり、治安の悪化にも繋がりかねません。

景観の悪化が原因で撤去された実際のケース

2016年3月、和歌山県は那智勝浦にある10年以上放置されていた空き家を「駅周辺の観光イメージを損なう」と景観の悪化を原因として行政代執行で撤去しました。

空き家は築50年以上の物件で外壁は腐食し、ツタに覆われていたということです。なお、撤去費用の150万円は県が空き家の所有者に対して請求したとのことでした。

参考サイト(産経新聞WEST)

行政が撤去するのは、「周辺住民や環境に害を与えている」と認められた空き家のみ

以上のように、空き家を行政に撤去させるには、「周辺住民や環境に害を与えている」という条件が必要不可欠になります。(公共の福祉に著しく反している)近くに困った空き家があるという方は、まずこの点を満たしているかどうかを考えてみましょう。

※その他にも、立木が道路の邪魔になっている、シロアリが発生しているなど、周辺の生活環境の保全を脅かす空き家も行政による撤去の対象となります。

3 行政による撤去までの手順と流れ

以下では、実際に迷惑な空き家を撤去させるための手順と撤去までの流れを記していきます。

【1】最寄りの市区町村役場に相談する

近所に、周辺に害を与えている空き家があり、撤去をさせたいという方は、まず最寄りの市区町村役場にその旨を相談してみましょう。

その際、空き家が今現在どのような状態であり、どういった点で周辺に迷惑をかけているか、具体的かつ詳細に説明しましょう。

また、意見を同じくする周辺住民の署名がある方が、より有力な申し出になります。
近隣に住む方に事情を説明し、署名などの協力を仰ぐようにしましょう。

【2】 行政が空き家を「特定空家等」に指定する

行政が動き始めるのは、その空き家が「特定空家等」(空家特措法による、後述)に指定されてからになります。

「特定空家等」とは、2で紹介したような、倒壊など安全面の問題、衛生上の問題、景観の悪化の問題を持つ空き家のことです。

しかし、どのような空き家であってもそれは所有者の財産に他ならないため、撤去までには慎重なステップが踏まれます。

【3】助言と指導が行政から所有者に行われる

その空き家の所有者が特定された場合、行政はまずその所有者に対して、状態の改善をするための助言と指導を行います。

具体的には、空き家の除却(解体)のことや立木の伐採などについて指導がなされます。

この助言や指導はまだ圧力としては弱い方で、猶予期限等もありません。

しかし、長期間にわたり改善が見られない場合、行政はより強い圧力をかけていきます。

【4】勧告が行政から所有者になされる

助言や指導に従わなかった場合、行政は所有者に対して勧告をします。

この勧告というのは、助言や指導よりも重く、勧告がなされた時点で空き家のある土地にかかる固定資産税が特別対象から外され、所有者の税負担が大幅に増加します。(後述)

つまり、勧告とは所有者に対して実効力をもった行政からの強い警告なのです。
この勧告が出てもなお所有者が従わなければ、いよいよ行政は改善命令を出します。

【5】 改善命令が行政から所有者に出される

勧告にも従わなかった場合、行政は所有者に対して改善命令を出します。

この改善命令は猶予期限がついており、所有者はその期限までに、解体や修繕などをして空き家の改善を完了しなければなりません。

この改善命令は行政からの最終警告であり、従わない場合は行政による強制的な対処がなされます。

なお、改善命令が出された時点で、所有者は行政に対し、意見陳述書を提出することができます。

【6】 強制対処が行政によって行われる(行政代執行)

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猶予期限までに状況が改善されていなかった場合、行政によって強制対処が行われます。
強制対処では、あくまで「必要な対処のみ」行われますが、倒壊の危険がある空き家は取り壊され、ゴミの撤去や立木の伐採などがなされます。

その撤去にかかった費用は市区町村がいったん負担をし、最終的には所有者に請求がなされます。

※空き家の所有者が不明だった場合は【3】および【4】は飛ばされ、【5】の改善命令が公示という形で大衆に示されます。所有者が名乗り出ず、改善しない場合は同じように【6】の強制対処となります。

4 空き家対策特別措置法(空家特措法)とは?

空き家対策特別措置法(正式名称は「空家等対策の推進に関する特別措置法」)は2015年に施行された空き家対策のための日本の法律です。
この法律は迷惑をかける空き家(「特定空家等」)に対して行政処置をすることにより

・地域住民の生命、身体又は財産を保護する
・生活環境の保全を図る
・空家等の活用を促進する
・空家等に関する施策を総合的かつ計画的に推進する
・公共の福祉の増進と地域の振興に寄与する

ことを目的とすると条文に明記されています。
また、この法律の中で、「特定空家等」は以下のように定義されています。

・そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態の空き家
・そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態の空き家
・適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態の空き家
・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態の空き家

この法律は、市区町村が行う対処を具体的に明記したわけではなく、あくまで基本的な指針をまとめているにすぎません。しかし、この法律は以下【1】および【2】の空き家対策に有効となる権限や措置を市区町村に与えています。

【1】解体の通告及び強制対処の権限

今までは、どれほど空き家がひどい状態にあっても、財産保護の観点から所有者の意思がなければ解体はできないことになっていました。

しかし、「特定空家等」に指定されればその空き家の財産保護の観点は弱まり、撤去させることに重点が置かれるため、市区町村は解体などの強制対処の権限を持つことができるようになったのです。

【2】 固定資産税の特別対象除外の措置

住宅用の土地に対する固定資産税は、その広さが200㎡以下の場合、その課税基準額(=土地自体の評価額)が6分の1にまで減額されます。
これが、固定資産税の住宅用地に対する優遇策となっています。(固定資産税の特別対象)

しかし、行政による勧告がなされた時点でその空き家は「住宅」とはみなされなくなるため、最大4.2倍まで土地の固定資産税が増額となります。
(単に6倍ではないのは、更地は評価額の70%が課税基準額となるため)

このため、市区町村は所有者に対して、実効力(経済的負担の増加)を持った勧告を行うことができるようになりました。

5 まとめ

近年社会問題になっているこの「放置された空き家問題」。
人口減少や少子高齢化に伴い、今後このような周囲に迷惑をかける放置された空き家はさらに増加していくと見込まれています。

もしご近所にこのような空き家が出現しても今回ご紹介した撤去の基準や法律等の予備知識を確実に理解して、冷静に対処するように心がけましょう。

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